家計の管理方法は十人十色。きっちり家計簿をつける家庭もあれば、何もない方がストレスが少ない場合もあり、家族の趣向や性格に合ったやり方がベストです。
ただ、「今は問題なく運営できているから大丈夫」と考えていると、家計が行き詰った時に、個々の家計でのデメリットが浮き彫りとなり、行き詰ってしまう可能性があるのも事実。家計管理はどの方法も一長一短があり、通常運転ではデメリットが見えづらいという特性があります。
この記事では、家計管理の方法をある程度パターン化し、メリット/デメリットだけでなく、先々の課題と対策について解説します。合わせて、家計簿の補助ツールである「マネーフォワードME」の活用例をご紹介します。
まずは目次からご自身のタイプのコメントを確認した後、どこを意識して家計を運営すべきか考えていただければと思います。
専業主婦(夫)タイプ
まずは1人の収入で家計を支えるタイプ。資金源が1つで管理しやすいメリットがある反面、共働きに比べ収入が少なく、家計の把握、采配が重要となります。ただ、厳しく管理しすぎると家族から不満が出るという副作用もあるため、さじ加減には注意が必要です。以下3タイプに分けて解説します。
完全委託型(全額管理)
パートナーから給料を全額預かり、生活費、貯蓄、お小遣いに割り振るタイプです。
専業主婦(夫)家計の代表格で、家計管理がシンプル、全体の管理も行き届きやすいスタイルです。お金を渡すパートナーしてみても、家計に気を取られず仕事や他の事に集中できるため、昔から確立しているオーソドックスな運営方法です。
このタイプのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
〇 管理の手間が少ない
〇 家計全体を把握しやすい
デメリット
× パートナーの意識が低い
× 管理者へ負担が偏重
先々の課題としては以下の通りです。
お小遣い調整に反発を受ける可能性あり
生活費がかさみ、何らか削らなければならなくなった時、お小遣いの減額が一つの選択肢となります。意外と思われるかも知れません。
しかし、反発する側の気持ちとしては「何も知らないのに、小遣いを減らされた」という感情が優先し、今までの努力に関わらず反発する可能性は高いと考えます。
そんな家計タイプには、家計簿の手間を減らし、相手への説明や情報の共有が必要と考えます。
家計簿アプリのマネーフォワードでは、自動で支出を記録することができるため、家計簿作成の手間がグッと減ります。
無料版の機能で十分ですが、管理する口座数が多く、クレジットカードやポイントカードのポイントの管理もキチンとしたいという場合は有料版(プレミアムサービス)がおすすめです。
無料版、有料版の記事をそれぞれ記載していますので、参考にしていただければと思います。
一部委託(定額支給)型
食費○万円、生活費○万円を一括で受け取り、それぞれの予算内、守備範囲内でやりくりするパターンです。予算内であれば自由度もあり、足りなければ補充を要請して運営するタイプです。
このタイプのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
○ 予算内であれば自由裁量が効く
デメリット
× 家計全体が分かりにくい
渡されたお金だけでやりくりできていると「うちの家計には問題がない」と思ってしまいがちです。しかし、蓋を開けてみると、実は全く貯金ができていなっかったり、意外な事実が判明することもあります。
家計全体が上手くいってるか(設定した貯金ができているか)は最低限、押さえておく必要があります。
また、先々の課題は以下の通りです。
家計の自然増への対処が必要
特に子育て中の家庭は要注意です。子供が小さいうちは食べる量も大人より少なく、衣服など拘りも少ない(せいぜいおもちゃくらい)ですが、大きくなると食べる量は増え、服には拘り、習い事も多くなります。
つまり、節約を心掛けていても。支出のハードルがぐんぐん上がり、支給されるお金では足りなくなる時が来てしまいます。そして、節約に努めていたのに、パートナーへ予算引き上げの話を持ち掛けた際、「もっと節約できないの?」と心外な言葉をかけられる可能性があります。感情論になるとなお悪い方向へ進んでしまうこともあります。
対策としては、パートナーを納得させるに、支出の推移と要因を説明できるよう、データを用意しておくことをおすすめします。
家計簿を付けるのは面倒ですが、今は家計簿アプリがあり、初期設定さえ終われば自動で家計簿を付けてくれます。
自分の領域だけの記録であれば、無料版でも十分です。是非、問題が起こってないうちに記録を付けることをおすすめします。
完全従属型
クレカとキャッシュカードを渡されて自由に使えるタイプ。パートナーが家計管理が得意か、お金に余裕がある場合の管理方法です。
このタイプのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
○自由度が高い
○資金繰りのストレスがない
デメリット
× 家計全体が不透明
× パートナーの懐に完全依存
先々の課題は以下の通りです。
パートナーの都合で支出制限がかかる
上限がなく自由度が高いタイプである反面、その資金元はパートナーの収入に依存しています。収入減やパートナーの方針転換で突然「予算組んで」と振ってくる可能性があります。
対策としては、自分の領域だけでも支出を把握することです。また、資金元となっている方は支出用のクレジットカードを家計簿アプリに登録しておき記録をすることをおすすめします。
夫婦共働き
夫婦共働きは、収入が多い一方で家計管理が難しいタイプです。共働き家庭の家計運営のポイントは以下の3点です。
・互いの財布をどこまで見せるか(透明性)
・公平感をどう保つか?(費用負担)
・見直しのタイミングはいつか(更新頻度)
片側全負担タイプ
生活費の全てを片方が払い、残りは貯蓄や余暇を楽しむスタイルです。家計の効率性が非常に高く、無駄の少ない家計運営です。2人の収入・支出が全てオープンに共有されていれば最強の家計です。
このタイプのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
○ 費用の分担が明確で無駄が少ない
〇 貯蓄スピードが早い
デメリット
× 家計の負担が一方に集中
先々の課題は以下の通りです。
生活費を全負担する側の不満が溜まりやすい
無駄が少なく効率的な運営である一方、お金を自由に使える側と、生活費の捻出でほとんどお金がない側に分かれます。生活費は変動要素も多いため、負担する側からすると不公平感が溜まりやすいという課題があります。
対策としては、家計全体での家計簿を作成するか、生活費を負担しない側の家計簿を説明するかのどちらかをおすすめします。
家計簿アプリ「マネーフォワードME」では、家計簿を自動作成できると同時に、それぞれがIDを持ち、グループとして家計を共有する機能があります。こちらを活用して、無駄の少ない今のメリットを最大化しながら、家計全体の動向をチェックできます。
費目負担型
2人の収入を互いに見せず、「食費はパパ、日用品はママ」という形で費目別で負担するタイプです。家計の負担区分が明確で、一見課題がないように見えますが、意外とデメリットも多い運営方法です。
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
○ 費用負担が明確
デメリット
× 家計全体が不透明
× 特別費の支出負担が漏れやすい
費目負担タイプは独立性が高い一方、特定の費目を負担すれば問題ないことから、家計全体の把握ができず、家計の改善が進まないというデメリットが生まれます。また、負担を決めた項目以外の費目である「特別費」が発生した時の対処法など、未決定の事項については都度話し合う必要があります。
先々の課題は以下の通りです。
変動費・特別費が不安定で貯蓄しにくい
相手の懐を楽観視して散財するリスクあり
費目負担タイプは、負担する項目がハッキリしている一方で全体が分からなくなりやすいです。「木を見て森を見ず」の状態であることを自覚し、家計全体の把握を心がけましょう。
対策としては、夫婦別々で家計簿を作り、定期的に情報を共有して共通のゴール(貯金)を作りましょう。
家計管理も、無料版の家計簿アプリで十分です。初期設定だけで記録してくれるため、ストレスが少ないです。
金額負担タイプ
お互いの収入に応じて支出全体を負担するタイプです。全体を把握しつつ、公平性を高く保つことのできるタイプです。
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
○ 公平性が高い
デメリット
× 毎月の家計管理に手間がかかる
先々の課題は以下の通りです。
出産、転職等のイベント時に見直しが必要
金額負担タイプは公平性が高い一方、どちらかの収入が大きく変動した時に弱点が出てきます。特に出産で休職、夫も育児休暇となった場合は収入が大きく減ってしまいます。その時期は貯金を崩すと決めておくのも一つの答えです。
ライフイベントに備えて事前に話し合いをして、貯金額を事前に決めておくことで後悔しないようにしましょう。
頻繁に費用を確認するには、家計の記録の手間を省くことが必要です。家計簿アプリで登録すれば費目を自動で記録してくれるため、強い味方となります。
おひとり様タイプ
給料=お小遣い。身軽で管理しやすいどころか、管理する必要もない方。ある意味最強ですね。月の収支がプラスであれば問題ないと思いますが、おひとり様でも家計簿を付けることで得られるベネフィットがあります。
メリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
〇 家計の収支がプラス
〇 管理の手間が少ない
〇 自分の価値観で全て運営可能
デメリット
× 管理が緩くなりやすい
おひとり様家計は自由度が高く、収支がプラスになりやすいです。しかし、ポイントの取りこぼれや有効期限切れ、クレジットカードの支出管理が甘くなるなど、改善点も多いのではないでしょうか。
おすすめの対策としては、無駄を突き詰め、改善した部分を自分のために使う(旅行や外食、身の回りのアイテム等)があります。
家計改善を一種のゲームとして考え、クリアできたらご褒美、というスタイルであればモチベーションも上がり、節約も長続きします。
家計管理は極力手間のかからない、無料版のマネーフォワードMEがおすすめです。
まとめ
家計の運営は人それぞれですが、タイプ毎にメリット、デメリットが存在し、その間に得られる便益を逸していることもしばしばあります。ご自身の家計タイプを把握し、弱点を克服することで、より自分自身の価値観にあったお金の使い方、時間の使い方を模索しては如何でしょうか。