頑張って作った家計簿。しかし、数字が並んでいるだけで、何を頑張ればよいか分からない、パートナーの協力を得られない、といった事はありませんか?
家計簿作成は現状把握であり、自己満足の世界に留まります。家計を改善してこそ、家計簿は真価を発揮します。次の一手を打つためには、何を把握してどのようなアクションを取れば良いか、具体的に考えていきましょう。
現状把握は「自分株式会社」としての収支報告を
まずは基本の現状把握です。自分の家計を1つの会社と見立て、収支報告書を作りましょう。アプリであればエクセルに落とし込むだけなので簡単ですね。
月次の損益と資産/負債を整理
月次収支
まずは月次収支です。
ポイントは、課題がある(節約の余地がある)と考える項目は細かく分類することです。
例えば、食費を節約したければ、近所のスーパーの買い物なのか、ショッピングセンターなのか、外食なのか、平日のパパのコンビニなのかを細かめに報告します。
逆に、家賃や水光熱費などは通常、節約の余地がないため大項目のみでかまいません。
重点的に改善する部分を細かく表示し、具体的な行動をイメージすることが大切です。
特に注意したいのは以下の3つです。
コンビニや外食などの食費
被服費(季節の変わり目は予算多め)
クレジットカードの年会費
資産/負債の把握
次に、資産/負債の把握です。
資産については、預貯金やポイントカードの残高、証券口座やiDeCoなどの口座を記載しましょう。
負債については、クレジットカードの利用残高や奨学金、車のローンに至るものをリスト化しましょう。
ただ、住宅ローンを組んでいる場合は、残高が巨額であるため一旦は無視してかまいません。負債が大きすぎて萎えてしまいます。
今後1年間の支出を予測する
次に、今後1年間で見込まれる支出タイミングと金額をリストアップしましょう。
旅行やイベントも、誕生日や帰省、クリスマスなどの定期イベントであることがほとんどです。予測できるものは、事前に察知し、できるだけ月あたりの赤字を減らし、貯める力を育てましょう。
注視すべきチェック項目
その他の注意項目(特別費)は家電の故障です。しかし、耐用年数と経過年数を把握しておけば、ある程度の予測が可能です。高額家電については10万円を超える支出になるため、毎月把握しておくことが望ましいです。参考として各高額家電の耐用年数と参照元を記載します。
冷蔵庫:13年(内閣府2019年調査)
洗濯機:6年~7年(メーカーの標準使用期間)
エアコン:14年(内閣府2019年調査)
その他、子供の習い事や塾代も複数に亘るため、毎月の費用をトレースしておくことを勧めます。子供が複数いる場合には、年を追うごとに増加傾向にあるため、何が必要で何を辞めるべきか、夫婦でコミュニケーションする必要があります。
耐久財は価値観の擦り合わせが大切
1年間の支出予定を考える他に、車や家などの100万円を超える耐久財についても認識しておきましょう。ポイントは、パートナーとの価値観の擦り合わせです。
車
マイカーは買った後も車検や備品交換など、突発的な支出もあります。買い替えの時期や費用(予算)を話し合い、買い替えのタイミングで揉めることなく、集中して値下げ交渉をすることをおすすめします。マイカーを所持している場合、中古車市場で売却した場合の価格を把握するのもおすすめです。
家
マイホームは、人生で一番高い買い物と言われます。しかし、夫婦であっても家に対する価値観は一緒ではありません。賃貸でも快適に過ごせると思っていたら、庭付きの戸建てでなければ納得できない場合もあり、揉めるケースは多々あります。
価値観は人によって違いますが、持ち家/賃貸や子供の教育スタンスまで擦り合わせてから結婚するケースは稀だと思います。
大型出費が目前に迫ってから話し合ったり、
家計が苦しくなってから節約を始めると、必ずハレーションが生まれます。
パートナーとの価値観の擦り合わせに繋がるように。
数字目標以上に、家族の価値観を作ることをに集中しましょう。
改善に向けた次の行動とは?
予測が終わったら、振り返りと改善に向けた計画を練ります。
ここでは、振り返り方法と改善に向けた考え方を簡単にご紹介します。
振り返りのコツは「可愛い罰ゲーム」を付けること
予算に到達できたかどうかを検証することが大切です。そこにゲーム的な要素を入れることをおすすめします。例えば、以下の2つはいかがでしょうか。
パートナーのマッサージを30分やる
パートナーの好きな料理を作る
改善に向けた注意点
改善の注意点は、自分がファーストペンギンになることです。ファーストペンギンとは、氷上から水中へ最初に潜るペンギンを指しています。リスクを最初に取るのは自分であって、相手の行動を正そうとしないのが大切です。
何度も言いますが、節約は自己満足の域を出ません。相手を不快にさせてしまったら負けです。楽しく過ごすために節約があるのであって、意味がなくなってしまいますね。
まとめ
家計簿は未来の一歩を踏み出す手段です。
大切なのは価値観の共有で、そのためのツールが家計簿であれたらと思います。
住宅購入や子供の進学など、家族にとって大きなイベントは、
長い期間、夫婦ですり合わせておくべき事項です。
家計簿を通して、あなたができることから手を付けていきましょう。